てるてる坊主
日本の文化には、てるてる坊主という魔法のように晴れを願う人形があります。「晴れを願う」ために、日本人は旅行やアウトドア活動の日に、このてるてる坊主を作ります。この記事では、てるてる坊主の起源や吊るし方、そして処分方法について詳しく紹介します。
1. てるてる坊主の起源
てるてる坊主とは、白い布や紙で作った人形を軒先に吊るし、翌日の晴天をお願いするものです。この人形は、特に子供たちに人気があります。てるてる坊主の名前には、以下のようなバリエーションがあります:
- てるてる法師 (Teru Teru Houshi)
- てれてれ坊主 (Teru Teru Bozu)
- 晴れ晴れ坊主 (Hare hare Bozu)
- ひより坊主 (Hiyori Bozu)
- 起源に関する仮説
てるてる坊主の起源は不明で、いくつかの仮説があります。
- 仮説①: 中国の掃晴娘 中国の伝説に登場する美しい少女、晴娘が雨を止めるために龍神の姫になるという話です。昔、中国のある村が長雨に悩まされていました。村の人々は天に向かって雨を止めるように祈りましたが、その声に応えたのは天の神ではなく、龍神でした。龍神は、村の美しい少女、晴娘が自分の姫になるなら雨を止めると約束しました。晴娘は村を救うために龍神の姫となり、その後、雨は止まりました。この伝説が、てるてる坊主の起源とされています。
- 仮説②: 日本の僧侶 日本の昔話によれば、ある年、長雨が続いて人々が困っていました。その時、ある僧侶が「私が経を唱えれば明日は晴れるでしょう」と約束しました。人々は喜んで僧侶を迎えましたが、次の日も雨は止まず、僧侶は嘘つきとされて処罰されました。その後、僧侶の魂が晴れを願うためにてるてる坊主として祀られるようになったと言われています。
2. てるてる坊主の吊るし方
てるてる坊主の効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントがあります。
顔を描かない 晴れを願うときは、まずてるてる坊主に顔を描かないことが一般的です。顔を描くのは願いが叶った後です。
前日に吊るす てるてる坊主は、翌日を晴れにしたい場合、その前日に吊るすのが良いとされています。童謡「てるてる坊主」にも、「あした天気にしておくれ」とあるように、前日の夕方までに吊るしておくと良いでしょう。
南向きに吊るす てるてる坊主を南向きの窓や軒先に吊るすことで、効果が高まります。南向きの場所は太陽の光を最も多く受けるため、晴れの願いが届きやすいと言われています。
3. てるてる坊主の処分方法
てるてる坊主は、願いが叶ったかどうかによって処分方法が異なります。
- 願いが叶った場合:晴れ 願いが叶って晴れた場合、てるてる坊主に顔を描き、酒をかけて感謝の気持ちを示します。その後、てるてる坊主を捨てるか、焼くことでお礼をします。
- 願いが叶わなかった場合:雨 願いが叶わずに雨が降り続いた場合は、顔を描かずにそのまま捨てるか、顔を描いてから箱に入れて捨てます。昔は川に流すこともありましたが、現代では環境保護の観点から、ゴミとして適切に処分します。
晴れを祈る人形と雨を祈る人形
てるてる坊主を逆さまに吊るすと雨を願う意味がありますが、これは特に正式な風習ではありません。しかし、逆さまのてるてる坊主は、晴れを願うのと逆の効果があるとされています。雨を願うときに使われるのは、通常の白いてるてる坊主ではなく、黒い布で作った特別なてるてる坊主です。
てるてる坊主の童謡
てるてる坊主には、次のような童謡があります。この歌は、てるてる坊主を作るときに子供たちがよく歌います。
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のように
晴れたら金の鈴あげよ
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら
あまいお酒をたんと飲ましょ
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら
そなたの首をチョンと切るぞ